皆さんこんにちは。宴如月です。
今回は、釣りでよく使用されるラインとそれぞれの特性、おすすめシチュエーションなどを書いていこうと思います。
但し、普通に書いていても他のブログと変わらないので少しだけ突っ込んで書きます
①ナイロンライン
釣り初心者にはこのラインを進めておけ!というくらいにポピュラーな素材のラインです。釣具屋で売っている、最初から糸が巻いてあるリールや、初心者向けの釣竿セットのリールに巻かれているラインです。
初心者におすすめの理由として、
・一本の糸でできておりそのまま使えるため、難しいポイントがない
・原価が安く、ラインを取り換える時に財布が痛まない
・衝撃吸収性が高く、あらゆる釣りにおいてメリットがある
といった点が挙げられます。
デメリットとしては、
・ライン自体が伸びる素材のため、自分の場所から50m以上離れるような釣りの場合、ラインが伸びるためルアーなどの操作ができない、フッキングできない
・吸水性が高く、1日釣りをし続けるとラインの劣化が激しい
といった点があります。
素材としては正確にはポリアミドと呼ばれる素材で、作り方によりナイロン66やナイロン6といった呼称があります。工業的に非常に有用なプラスチックで、生産量も多いため安価に作成されています。
比重(水と比べたときの密度)が小さく、表面張力により水に少し浮きやすいです。一本の糸でできているモノフィラメントラインなので擦れに強く、岩などにこすれても多少は耐えます。
素材自体が柔らかく伸縮性があるため、魚がヒットした時の暴れる衝撃を吸収し、ラインが切れてしまうのを防いでいます。
と、メリットをみるとよいラインなのですが、実際のところ私は自分の釣りにおいて、ナイロンはほとんど使用していません。その理由は、実際に使用していてライントラブルが非常に多かったことが挙げられます。
足元に落とすブラクリや、それこそ初心者の時にやっていたサビキ釣りに関しては、ナイロンラインで問題ないと思います。ですが今メインとしている、エリアトラウトやライトゲーム、シーバス、ショアジギングではデメリットの方を強く感じました。
短時間での釣行であれば問題ないのですが、1日釣りをしていく中で、ラインが水を吸った後のキャスト時にバックラッシュ(糸がくしゃくしゃになり使えなくなってしまうこと)を起こすことが多かったためです。
水を吸って糸が膨張したせいなのか、それとも表面に何か変化が起きていたのかはわかりませんが、それ以来ほぼすべてのリールからナイロンラインは外しています。
おすすめの使い方は、
①サビキ釣り、ブラクリといった足元での釣りでの道糸
②PEラインのショックリーダーとして使用
という限定的な用途がいいと思います。
②フロロカーボンライン
個人的にマルチに使えるラインとしておすすめなのがこのラインです。
正式名称はポリフッ化ビニルデンというプラスチックですが、世界でも製造している工場は多くありません。とりわけ、原料を生産しつつ釣り糸まで加工している工場は国内ではごくわずかです。
そのため費用はかさみますが、それを補って余りあるメリットがあると感じています。
メリットとしては、
・吸水性がゼロに近く、1日使用しても劣化が少ない
・水の屈折率と近い屈折率を有するため、水中ではほとんど見えなくなる=魚に違和感を与えづらい
・表面が硬いため、海草などの異物に糸が負けない
・負荷がかかった際の初期伸び率が低く感度が良い、かつその後緩やかに伸びるため衝撃吸収もしてくれる
・比重が大きく水によく馴染み、風の影響を受けづらい
といった点があります。デメリットとしては、
・表面が硬いため岩などのこすれには少し弱い
・砂などが浮いている状況では表面がこすれ、白化する
・高い
・張りが強いため、ライントラブルが起きやすい(らしい)
という点があります。
ライトゲームやエリアトラウトのラインとして、自分は使用しています。
また、PEラインやエステルラインに接続するショックリーダーもフロロカーボンにしています。
アタリがわかり易いこと、スプーンのように一定に巻いてくるようなラインにテンションがかかり続ける釣りに相性がいいこともあり、愛用しています。
おすすめの使い方としては、
①ショックリーダーとして使用する
②立ち位置から50m弱までの距離での釣りで道糸として使用する
という使い方になります。
③PEライン
ソルトゲームではおなじみとなっている、PEラインです。
素材はポリエチレン。非常に単純な構造でメチレンの繰り返しによって構成されるため糸を非常に細くできるのが特徴です。ナイロンやフロロラインと違い、極細の糸(原糸)を編み込んで作られており、また糸がほどけないよう表面をコーティングされています。
メリット
・非常に細くて非常に強い
・伸び率が低く感度が高い
・比重が小さく水に浮く(時にはデメリットになる)
デメリット
・根ずれには非常に弱いのでリーダー必須
・原糸×本数で編み込まれるのでその分価格が非常に高い
・糸が透明ではないのでプレッシャーを与えやすい
・糸ヨレに弱いため定期的にメンテナンスが必要
といったところが挙げられます。比重が小さいことや強度が高いこと、糸の色などはポリエステルの性質によるもの。根ずれの弱さや価格に関しては原糸を編み込むという製法によるものですね。
ポリエステルは単純な構造なので、太さの方向に糸が大きくなることがありません。にも拘わらず、ナイロンやフロロよりも構造的に強く、同じポンド数で作るとすると号数(太さ)を小さくできます。
今自分が管釣りで使用しているラインでは0.2号で約8lbの強度がありますが、ナイロンで8lbにしようとすると2号の太さになります。糸が細いほど飛距離を出しやすいので、飛距離・強度の両面から見て、遠投する釣りに非常に適しています。
反面、細い糸の集まりなので少し硬いものに触れただけで原糸は切れてしまい、どんどん強度が下がっていきます。これが根ずれに弱い理由ですね。また、4本や8本の糸を編み込むため、ナイロンラインの価格×編み込んだ本数=PEラインの価格という形になりやすく、財布へのダメージは大きいです(実際にはもう少し安いですが)。
自分はPEラインを、
・遠投して広くサーチしなければならない状況
(ソルトでの釣りや大規模ポンドでの管釣り)
・大物を狙う時
・バイブレーションやミノーなど操作系のプラグ
・管釣りのクランクベイト
などに使用しています。特に伸びないという性質は、ルアーを操作するうえで絶対的に必要な要素だと思っています。
④エステルライン
最後は最近のマイブーム、エステルラインです。
材料はポリエステル。服の繊維なんかにも使われていますね。あとはペットボトルの原料、ポリエチレンテレフタラートもポリエステルの一種だったりします。
エステルラインの特徴は、線径が非常に細く、また伸びが少ないこと、直進性が高く、パリッとしたラインであること、比重がナイロンとフロロの中間くらいであり、軽量ルアーを深く沈める場合に役立つことなどが挙げられます。
メリット
・伸び率が低いため感度に優れる。またルアーの操作がしやすい
・線径が細いため飛距離を出しやすい
・比重が大きく、ラインを鎮めやすい。また風の影響を受けづらい
デメリット
・細いため強度がなく、また一度高負荷がかかって伸びた場合もとに戻らず強度が落ちる
・直進性が強いため、折りたたむと強度が出せない。よってリーダーが必須になる
・張りが強いためライントラブルが起きやすい
といった感じです。
基本的には軽量ルアーを扱う釣り、エリアトラウトやライトソルトゲームに使用されます。
バックラッシュが起きやすいため扱いには慣れが必要ですが、ラインメンディングやフェザリングをしっかり行えば、トラブルの頻度は劇的に減らすことが出来ます。
「エステルでライントラブルが起きない=ラインの扱いが上手くなった」
と言ってもよいでしょう。
今回はラインの特徴をずらずらっと並べてみました。
この中で、どの糸が最も優れている、この糸はダメだ!という議論は意味がありません。なぜなら、それぞれの特性によって使い分けが必要になるからです。
場合に応じて適切なライン選択をしていきましょう。自分の中での使い分けとして、
・軽量ルアーを使い1日釣りをする、かつ感度が欲しい、操作系プラグも使う
→エステルラインを選択
・大物を狙う、岸から遠くへルアーを飛ばしたい
→PEラインを選択
・魚をかけた後しっかり獲りたい、糸でプレッシャーをかけたくない
→フロロラインを選択
といった形でしょうか。個人的にナイロンが使いづらいと感じるため、基本的にはこの3種類から選んでいます。もしナイロンを使うとしたら、魚が非常に足が速く、ライン全体でクッションを作る必要がある時でしょうか。
各釣り物によって適切なラインは異なります。どのラインがどの釣りに適しているか、考える時の一助になればと思います。