宴のダラダラ白書

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【釣り】シーズナルパターンについて【エリアトラウト】

皆さんこんにちは。宴如月です。

 

すっかり暑くなりまして、季節は夏となりました。

夏といえば管理釣り場のトラウトたちはぐったりとし始め、多くの釣り場が休業となります。その分海の方が盛り上がる季節になっていくのですが……

 

今回は季節ごとのパターンについて、自分なりの考察を交えて書き連ねていこうと思います。

 

 

①冬のパターンについて

 え、いきなり冬?春ではなくて?と思われる方。正解です!普通こういうものは春からですね。しかし、説明をしていく順番を考えたときに冬から始めた方が楽だったのです。それはなぜか……。

 

 エリアトラウトは冬がハイシーズンだからなのです!

 

 正確に言うと秋の中頃から各地のエリアさんが営業を再開するため、10月~11月ごろから始まっていくのですが、その頃は水温が安定せず一概にこう!とは言えないため、水温が低い意味で安定する冬から解説をしていこうと思います。

 

まずはポイント。冬のシーズナルパターンはボトム!

底を狙えるルアーが釣果の秘訣となります。

たとえばスプーン。軽いと狙いづらいので重めのスプーンで。

たとえばシンキングクランクやディープクランク

たとえばボトムミノーやバイブレーション

といった、よく沈む系のルアーが活躍します。が、それも一筋縄ではいかないのですが。

 

そもそもなぜ冬はボトムのパターンが効くのでしょう。一般的に言われるのはこんな内容です。

トラウトは低水温を好む魚なので、冬の方が釣りやすい。特にボトムを狙うとよい! 

 と、だいたいのブログなどには書いてあります。

 

けどちょっと待ってください。本当にトラウトは低水温を好むのでしょうか…?そして低水温の方が活性が高いのであれば、なぜボトムにべったり張り付いているのでしょうか…?

 

トラウトを含む魚類は変温動物=自分で体温調節をせず、周囲の温度によって体温が変化する生物です。

周りが暖かければ体温は高く、周りが寒ければ体温は下がります。

そして生物である以上、運動するにはある程度の熱量が必要になります。すなわち、温度が低すぎれば動けない状態となります。

 

人間でいえば低体温症がそれにあたります。クマなどはそれを避けるため、温度が一定に保たれやすい洞窟などで冬眠をします。

 

魚はどうなのでしょう。実は魚も冬眠のようなことが起こるとされています。

 

すごくどうでもいい話ですが、江戸時代の絵師、長沢芦雪は自分の絵に印を残す際、「魚」という文字の周りをぐるっと輪で囲むという特徴的な図を用いています。これは修業時代、水面が凍り付いている池のなかでもがく魚を見て、「今はまだこの魚のように、もがくようにしか筆を振るえない」と思ったからで、その日の夕方に見ると氷が解け自由に動いている魚を見たことで、冬が終わり春が来れば自分も自由に筆を振るえるようになると精進したそうです。晩年の印では周囲の輪の一部がかけたものが使われ、少しは自由に描けるようになった、という意味が込められているとされています。

 

脱線しましたが、つまり魚は、

「水温が下がれば活動が弱まる」

ということが言えます。結果として、水流や風の影響を受けにくいボトムでじっとしていることが多くなり、そこにルアーを通すことで釣ることが出来る。というのが、冬のシーズナルパターンの正体です。表層に浮いてしまうと水流の影響で泳ぐ必要が出てくるので、より流れや温度の安定したボトムに身をひそめるわけですね。

 

ただ巻きの一定なアクションよりも、ミノーのダートするアクションが効きやすいのもそこに理由があり、基本的に動きたくないトラウトのスイッチを無理やり入れて釣る必要があるんですね。

 

ちなみに、トラウトの適水温(餌を活発に追いかける温度)は8℃から16℃とされています。海の魚でポピュラーなアジは16℃から20℃と言われているので、確かにそれに比べると低水温を好むと言えます。とはいえ、氷点下になるような状況では餌を追いかけるどころではないので、温度が低い=活性が高いというわけではないことに注意が必要です。

そして自然界では単純に冬=餌が少ない季節なので、そもそも積極的に餌を追うことはせず春を待つ魚も多いです。日陰よりも一日を通して日が当たるような場所を探してルアーを投げてみましょう。

 

②春のシーズナルパターン

 春はトラウトにとって最も生活のしやすい季節となるでしょう。先ほどの適水温になる丁度良い季節です。また、えさとなる水生昆虫や羽虫も飛び交うようになるため、冬の頃から打って変わって表層を意識する魚が増えます。

 また、春先には桜パターンという、花びらを捕食するトラウトをよく目にすることがあります。これは恐らくですが、花びらが羽虫の羽根に見えるため、間違えて食べているのだと思います。もっともよく捕食しているのは着水直後で、続いて1,2枚でぽつぽつ浮いている花びら。もっとも食べないのは風によって集められて、花筏となっている花びら。どれだけ羽虫に似ているかによって、食べる食べないが極端に分かれているように思います。

 このため、マイクロスプーンによるバジングや表層意識、薄いピンクのカラーを駆使した釣りで爆釣!なんてことが起きます。

 

 正し、春には特有の強い風が吹くことが多いです。この場合は表層よりも中層~ボトムの反応が良くなることがあります。

 単純に軽いルアーが扱えなくなるというだけではなく、風によって水面近くの水が冷やされてボトムに向かって沈んでいく、対流という現象が起こるからです。

 シーズナルパターンを語る上ではポンドの温度分布が欠かせないのですが、そちらはまた次回。

 

 ポイントとしては、基本的には表層。風が強いときはボトムも〇

 

③夏のシーズナルパターン

 そもそも多くの釣り場がクローズするこの季節。理由は単純です。

 「温度が高すぎると魚が死んでしまうから」

 単純にこれです。水温が25度以上になるような状況では、温度が高すぎて魚は煮えてしまいます。水道から出る温水でさえ魚の身には熱が入っていきますので、常に高水温だと生きづらいのですね。

 ではどんなパターンがあるか。以外にも、雑誌に書いてあるパターンに多いのは、

 

 夏は表層パターンで狙え!

 

 となっています。ただ正直、生態に照らして考えると少し違うのかな、と。

 夏は非常に日差しが強く、特に水面付近では水温が非常に上がります。そんな中に突っ込んで捕食しに来るトラウトはなかなかいません。いるとしたら非常に高活性な魚なので、確かに来てくれれば釣りやすくはあるでしょう。

 

 ではどういうところを狙うのか。このポイントは2種類。

 新鮮な水が流れてくるところか、中層~ボトム

 と思っています。

 まず新鮮な水が流れてくるところ=インレットについて。

 水がやってくるということは、その水がどこからくるかにもよりますが、ポンドの水よりも水温が低いことがあります。であればより涼しい場所を求めてインレットに魚が集まります。また、それまで魚がいない水なので、酸素を豊富に含んでいます。(水温が上がりすぎると水に溶けた酸素が抜けてしまうため、低酸素状態になります)

 そこでエネルギーを貯めている魚が多いため、釣りやすいというわけです。

 中層~ボトムも同様の理由になります。冷たい水=重たいので、基本的にボトムの方が水温は低いです。(氷点下では実はちょっと違うのですが…)より過ごしやすい場所となるため、活性のあまり高くない魚はした目に向かう傾向にあります。ただ元気がないわけではないので、ルアーはしっかり追ってバイトしてきます。

 夏=表層と思って釣りをしていると思わぬしっぺ返しがあります。

 

④秋のシーズナルパターン

 こちらが一番やっかいな季節です。夏ともいえず、冬ともいえず。とはいえ、秋こそこれだ!というパターンが生態から浮かびます。それが…

 秋こそ表層を狙え!

 です。日差しも夏よりは和らぎ、表層の水温も下がってきます。また同時に秋はススキに交じって、多くの羽虫が交尾のために飛び交う季節でもあります。そう、虫パターンの再来です。羽虫の中には水面や浮草に卵を産む種類もいるため、そうした羽虫を捕食します。バジングが最も有効に働くといってもよいでしょう。

 また、秋が深くなると水温はより下がり、ボトム周辺の水温が適水温を割り込むことがあります。その場合、ボトムから魚がいなくなっていることもあるので表層~中層を意識しましょう。

 

 要は、寒くなった時は冬のような考えを取り入れ、暑くなったときは夏のような考えを取り入れ。適水温を追いかける必要が出てきます。また風の影響で水温が安定しないため、レンジがコロコロ変わっていくのも特徴です。水中では対流が起きている可能性が高いため、藻の流れなどを観察してみましょう。

 

まとめ

①冬はボトム

②春は表層

③夏は中層~ボトム

④秋は表層~中層

 

これはあくまでトラウトの生態とこれまでの経験に基づいた一人のアングラーの考察です。これから釣りを続けていくうえで修正する可能性があります。また、釣り場によってもパターンは異なるため、あくまで一例としてお考え下さい。